馬越峠のある天狗倉山の尾鷲側中腹の山中には「岩屋堂」といわれる祠(ほこら)があり、訪問してきました。
尾鷲市の有形民俗文化財である「岩屋堂」は馬越峠の傍にあるため、かつて西国巡礼の人たちがよく参拝したと言われています。

岩屋堂

参道へ向かうには、馬越峠を尾鷲側に降りる途中の農道を左に折れ(馬越公園から少し降りたところに農道との交差がある。)数分行ったところに参道の入り口が見えてきます。

参道の入口

石畳の参道

参道は苔むした石畳が続き、熊野古道に負けない雰囲気があるように思いました。
道なりに歩くと途中分かれ道がありますが、案内板があるので迷うことはありませんでした。15分ほど登ると祠や大きな岩の傍にあるお墓が見えてきます。

お墓

岩を右へ回り込むと岩穴がお堂になっており、雨風をしのぐ壁と扉が取り付けられていました。昔はそれがなかったそうです。

岩屋堂の戸

中に入らせてもらうと鎌倉末期の製作といわれる本尊の聖観音石像をはじめ、西国三十三箇所の本尊を模したと言われる三十三体の観音石像や宝永4年(1707)の津波被災者供養の地蔵尊がずらりと安置されています。
自然を利用したその姿に驚きとともに不思議かつ厳かな気持ちになりました。

地蔵様

帰り道