尾鷲市三木崎の西、隠れるように小さな集落跡があります。昭和2年から昭和4年にかけて、三木浦湾の奥「コノワ」の地へ全戸移住した盛松(さがりまつ)の集落跡です。元盛松の人々は、荒磯で船掛かりが悪いために漁業を営むことが出来ず、限られた土地では農業も専業出来ず、細々とした山稼ぎや、人力による山越えで運んだ物資に頼り、困難な生活を続けてきました。

元盛松下地地区跡

なぜこの場所に住みつき、どのような暮らしを続け、そして、移転せねばならなかったのか。廃村になった元盛松は、訪れる人や当時の事を知る人が少なくなり、忘れ去られてゆく運命にあります。先人の苦労が伝わる元盛松の集落跡を訪ねて、海辺に暮らす人々の歴史を探りませんか?

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